
思うところあって、今日は【夕張夫妻】を
取り上げたいと思います。
こちらの夫婦は夕張市のマスコットキャラクター。
ご存知のように夕張市は
380億円もの負債を抱え、現在財政再建団体として
その返済にがんばっています。
夕張夫妻はその負債と夫妻をかけた
「自虐的な」キャラとして2007年に誕生しました。
男性の名前は 夕張父さん(倒産)
女性は 夕張まっ母さん(赤字で真っ赤、の意味。
GHQのマッカーサーは関係ありません。)
また、同市が離婚件数の最も少ない市とのことから
コピーは「金はないけど 愛はある」です。
(市としての人口も3番目に少ないけど、という
ツッコミは無粋ですよ)
そして、このキャラの誕生を機に
市に「夫婦円満課」が設けられ
申請すれば誰でも「夫婦円満証」が交付されます。
自虐にとどまらず
状況を(愛の力によって)ポジティブに捉えよう!
という前向きな想いが伝わりますね。
こちらの「広告」が2009年のカンヌ広告祭で
プロモ部門でグランプリ(獅子賞は無い)
PR部門で金獅子賞(グランプリの1段下位にあたる)
を獲得しました。
各賞の審査基準などは分かっていないのですが
僕が考えた事は、
こちらの受賞はこのキャラに対するモノではない
だろう、という事です。
つまり、ゆるキャラっぷりやダジャレが
認められた訳ではなく、
キツい状況を市民がポジティブに受け止め
笑い飛ばしながら新たな行動を起こしてきたこと、
その変化や成果が認められたのでは。
人々の行動を引き起こしたことが
受賞理由なのでは。
部門もPRや、プロモーションだし。
先ほどから「このキャラの誕生を機に」
といった表現をしていますが、
制作側も単なるキャラづくりではなく
夫婦円満課なども含めて
「夕張市は夫婦円満の街」
という新たな価値を育てようとしているように
見受けられます。
少子化や人口減少の問題もありますし
夫婦というキーワードで
市民が主体となり、長期的に行動し続けるための
象徴的なキャラと言えるかもしれませんね。
行動を変えるクリエイティブのチカラを
再確認したので、取り上げました。
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