8.04.2009

さよなら、ゼロックス。

今日は(今日も?)趣向を変えて
お送りしたいと思います。

高揚させる話しでは無いと思いますが
何かのきっかけになれば幸いです。


東京でZine's Mateという展示会が催されたこともあり
活気づいてきているZine'ジン'という表現方法。

Zineとは、ごくごく乱暴に言ってしまうと、
写真などのクリエイティブをA4に白黒コピーして
ホッチキスで留めて二つ折りにしただけの、
インディペンデントな出版物です。

クリエイターの名刺代わり、と言ってもいいかも。

このブログにもコメントをよく寄せてくれている
Anchor and Wild Boar
からも近々リリースされるようです。
こちらは定期刊行ですね。

こちらの記事はまた改めて書かせていただきたく
思いますが、今日はまた別の切り口から。


講談社発行のカルチャー誌、HUGEの今号にも
Zine's AGEと題した特集が組まれていたので
読んでみたところ、欄外に、富士ゼロックスが
「ジンを制作するアーティストを支援」している
との記載を目にしました。

ジンは印刷ではなく、コピーで制作されるので
コピー機メーカーのゼロックスとは縁のあるところ。

ジンの支援なのか、アーティストを支援なのか
気になり、問い合わせてみたところ
その記事は確認していないとのことながら、
「アート・バイ・ゼロックス(ABX)」という活動
のことでは、との回答をメールでいただきました。

それであれば、
アーティスト全般への支援とのことですが、
こちらの活動は6月末で終了しているとのこと。
工房として提供していた場所も、
7月末で閉鎖したとのこと。

タイムリーに残念なことに!と思いながら
終了の理由を読み進めると、
このメセナ活動を始めるに至った「想い」や
これまでの活動をしっかりお書きいただいたあと
「不況だから」との理由をいただきました。


ココまできて、今日の本題なのですが
企業のCSR活動やメセナ活動には
どうあってほしいですか?

「好景気だからヤリます」では、
バブルの頃にゴッホの絵を何十億で買っていたのも
「メセナ」と呼ぶことになると思います。

「ブームだからヤリます」では、
それはセールスプロモーションだと思います。

「会社に余裕があるからヤリます」では、
金持ちの道楽ではないでしょうか。

もちろん、どんな呼び名であれ、
実効性があれば助かる人もいるワケですし、
会社を傾けたり、リストラしてまでやるとしたら
どちらが社会貢献か本末転倒なうえ、
そもそも出来ないことは織り込んだうえで、です。

そして、支援があってもなくても
表現したい人間は表現するので
支援に依存していないことも前提として、です。


以前、不況の影響で国連の活動にも
支援金が集まらないとお書きしましたが
今、至る所でこういった縮小が
起きているのでしょう。

あまり潔癖になりすぎてもいけないと思いますが
「使命として」と大上段に構えるのであれば
気概を見せてくれよ!て思うのです。

エコ以外のジャンルはプロモーションとしては
まだまだ影響力が弱いようなので、
こういった不況下では、
まだまだ淘汰されるのかもしれません…。


踊らされることなく、見極めていかねば!

て、何言ってんだ、僕はw

4 件のコメント:

  1. しょうがないよ。

    ZINEなんて元々、本にする迄もない表現を
    個人でプリントするもんだからね。
    別に損得じゃないし。
    内容と目的次第では1冊で充分だったりするしね。

    僕が作ったZINEに関してはそこそこの部数だけど、
    それもUGの多大なるサポートが有ったからだし、
    更に、お互いの熱量のバランスが取れてないと
    そもそも成り立たない事。

    今迄、ABXの恩恵を享受していた人は
    周りより早くて確固たる意思の元、
    ZINEを作っていた世代だし、
    そういう人達にとったら
    これから他のサポートを見つける事なんて
    容易いんじゃないかな。

    それよりも、不況を理由に廃止してしまった件。
    僕は不況という理由は真っ当だと思う。
    それよりも、サポートという出金に対し、
    お金以外の物を得るというフローを
    作り出せなかった事が非常に残念です。

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  2. ウチの社外役員は例の!?アメリカ人です。
    創業当時「お金持ちになったら寄付するぞ!」と事あるたびにのたまっていました。

    個人の寄付活動と、企業のメセナ活動を一緒にするのは乱暴ですが、要は経営者の「志」の問題かなと思います。
    お金があろうがなかろうが、その企業の社会での存在価値をメセナ活動と言う形で還元するか、寄付と言う行為で直接的に支援するか、の違いではないでしょうか。

    ただ、メセナ活動に関しては支援するアーティストの生き様や作品と、企業の理念がかけ離れていれば「相乗効果」が生まれにくいので、アーティストの選定には慎重さが必要になる気がします。逆にその行為が「毒」にもなりかねないですしね。

    いずれにしても、企業側の「mature」が問われる作業ですね。

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  3. >AaWB

    ありがとう。
    不況理由容認派ですな。

    その後のコメントですが、
    大きい意味で、ギブアンドテイク、あるいはフィフティーフィフティー、あるいはウィンウィンなどと言われるような関係にはなれんかったことにムリがあった、てことかな?

    だとしたらそれは、発展性や一般性のない、
    クローズな関係性のなかだけでの活動だったから
    ていう仮説がたてられるかも。

    つまり、社会貢献では、多少うさん臭がられても
    コストに応じて、オープンにしとく必要があるのかも。
    コストに比例して、オープンにさせる必要がある、というか。
    本当に人目につかない活動やクローズな支援をするのなら、コストのかからないものにしないと、
    そもそもプランとして、成り立たないのが明白なのかも!

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  4. >BTさん

    たとえ、その活動のせいで業績を下げようとも
    たとえ、いかに会社の業績が悪化しようとも
    絶対にやめないのが真のCSRであり、
    それ以外はエセだ!
    という極端な意見もありますよね。
    それはどうかとも思います。


    たとえば、同業他社と比較すると、

    キャノンは、カメラ事業があるからですが、アマチュアや子供達の写真を展示するなど、「大きい写真」というスタイルを支援するキャンペーンを大々的に行っています。(高コスト)

    京セラミタは、「地域に貢献する」という理念のもと、会社や工場付近の清掃活動に取り組んでいます。こちらの広報はオフィシャルサイト上で簡潔に記載されているだけです。(低コスト)

    どちらもこれからも継続する予定のようです。
    かけているコストや、キャンペーンとしての波及効果は関係なく、どちらもすばらしい活動だと思います。

    どちらも目的や、やれる範囲、誰がやるのか
    といった事をはっきりさせたうえで
    行なっているように、思います。
    勝手な想像ですが。

    ジンのことはおいといても
    残念なだけに、なおのこと
    ゼロックスは、ナニが目的(志)だったのだろうと
    思ってしまいます。

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