


大地の芸術祭
越後妻有アートトリエンナーレ2009
が開催されています。
これは越後妻有(「つまり」と読みます)地域の
環境を利用しながら作品を展示するモノですが
このイベントが他の多くの「むらおこし」イベントと
一線を画している理由とは—
まずは
プロデューサー北川フラムさんのインタビュー
(毎日新聞)をお読みください。
大地の芸術祭:
4回目の越後妻有、北川フラムさんに聞く
美術にできることを提示
新潟県十日町市と津南町で3年ごとに開かれる国際芸術展「大地の芸術祭 越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ2009」が26日に開幕する。00年の初回から総合ディレクターを務めてきた北川フラムさんは、今夏から新潟市などで開かれる芸術祭も音頭をとる。地域に根ざすアートの役割などを北川さんに聞いた。【岸桂子】
◇厳しい地域、新たな誇り持てるから
4度目の「大地の芸術祭」には、38の国・地域からアーティストが参加。恒久設置となったものを含めて約350作品を紹介している。訪れた人は、山や川、棚田などに点在する作品を見るうち、里山の美を発見し、地元住民の暮らしに思いをはせる。「その場特有の魅力をアートで再提示する」試みだ。
「日本を支えるために一生懸命農業をやってきた地域が今、『もうそこに住むな』と言われたのも同然の、壊滅的な事態が起こっています。そんな場所で美術が、アーティストが何ができるか。提示を試みた」
今や妻有のシンボルの一つとなっているのが、イリヤ&エミリア・カバコフの作品だ。棚田とオブジェの融合で棚田の歴史などを表現する。土地所有者に作品の意味を説明し、協力を要請する過程で時にあつれきも生じるが、話し合いを続けることで相互理解を深める。
「あるものを徹底的に生かすのは、大地の芸術祭の特徴の一つ。美術は赤ん坊みたいなものです。手間がかかって生産性はないが、皆が大事にして、大人同士をつなぐ核にもなる」
大手旅行代理店JTBが今年初めて鑑賞ツアーを企画するなど、すそ野は着実に広がってきた。また、世界的に有名なクリスチャン・ボルタンスキーが3回展で自身初の恒久展示を十日町市の廃校につくるなど、国際的にも注目を集めている。
しかし、明るい話題ばかりではない。廃校13校を使った展示は4回展の目玉だが、逆に言えば、過疎化が止まらない現実を示す。その厳しさを見せるのも芸術祭の特徴だ。
大地の芸術祭で手応えをつかんだ北川さんは今後、新たな芸術祭・イベントに取り組む。約60作家が参加する新潟市の「水と土の芸術祭」▽大阪市内の川辺を中心に企画した官民連携のイベント「水都大阪2009」▽瀬戸内海の七つの島を会場にした来年夏の「瀬戸内国際芸術祭」--の三つである。
北川さんは「厳しい課題を抱えた地域ほど、アートの可能性が発揮される、と思っています。生産性のないものを寿(ことほ)ぐことで、金銭的な価値観とは違う意味が生まれ、新たな誇りを持てるからです」と力を込める。(7.7.2009/毎日新聞より)
という想いを込めて、具体的にどういったことを
仕掛けているかというと、
1、アーティストが長期滞在し、住民達と共同
して作品を制作する。
2、全国からボランティアが集まり、長期滞在し
住民達と恊働しながらコミュニケーションをはかる。
3、東京に広告ブースを設置しPRする。
4、JTBと協力し、鑑賞ツアーを企画する。
といったことなどなど。
特にボランティアは
大地の芸術祭には、数多くの都会の若者がボランティアとして参加してきました。彼らは「こへび隊」と自らを名付け、さまざまな活動に関わっています。「過疎地の・農業をやってきた・お年寄り」に対して、「都市で・何をやっているかわからない・学生」との出会いは、衝突、困惑から理解、協働へと変化し、地域は、若者によって開かれていきました。
こうしたアーティストや都市のサポーターたちは、2004年の中越大地震、2年続きの豪雪がこの地域を襲うと、「大地のお手伝い」と称して復興支援活動や雪堀ボランティアとして活動しました。こうした協働の過程でわかってきたのは、妻有は都市に住むサポーターたちにとって、かけがえのない「希望をつくりだす場所」となっているということでした。現在、若者だけでなく大人達がそれぞれのスキルを活かしながら「新しい故郷」づくりに参画しはじめています。(オフィシャルサイトより)
というように、
このイベント外でも関係を続けています。
地域再生のための「スキだらけのアイデア」
としては、この参加者やボランティアが長期滞在し
住民と恊働する、というのは参考になるのでは。
そのうえで
住民には自宅を民宿として解放してもらい
住民にもサービスの楽しさを体感してもらう。
これは芸術祭に限らず
トライアスロンやトレイルランニングやMTBや
音楽フェスでも転用可能なプランだと思います。
単発イベントになりがちなことも、やりようで
長期化できるのですね。
単発イベントを単発にしないこと
自ら楽しめるボランティアを募ること
外からの人に長期滞在してもらうこと
外からの人と住民が恊働すること
そのエリアの「ありのまま」を活用すること
これらの視点を持って企画すれば
まだまだ、どこにも希望はありますよ!
写真上:イリヤ&エミリヤ・カバコフ「棚田」
写真中:スタシス&コウォジェイスキ/
ヴィタシェフスキ(A+D)「訪問者」
写真下:クリスチャン・ボルタンスキー+
ジャン・カルマン 「最後の教室」
今イベントの一つに「tour de tsumari」があります。
返信削除非レースなサイクリング イベントながら
全長は120km!となかなかハード。
でも、風景や点在するアート・建築物を見ながら
サイクリングをする事が前提となっている様です。
参加費を払えば、全員にジャージが配られ、
軽食とチェックポイントでの水分補給も確保、
競技後、疲れた体を癒す、温泉チケットが付いた上
トリエンナーレの鑑賞券もプレゼント!
因に、このジャージはバンザイペイント製で
一般販売もされます。
これだけスピンオフされれば、
普段アートに興味の無い方でも
否応無しに意識させられますよね〜
>anchorandwildboar
返信削除おもろいな〜w
ほんま、盛り込んでますな〜
どっかから妻有にむかうのではなく、
そのエリアをぐるっと廻るんですね。
なんか、ひとつのアクションで
いっぱい動いてるのが伝わります。