7.27.2009

旅とカメラ
カメラ片手に白杖で全国を旅する大平啓朗氏


全国47都道府県を一人で旅している全盲のアマチュア写真家、大平啓朗さん(30)=北海道函館市=が24日から高知入りし、愛用のデジタルカメラを手に撮影旅行を楽しんでいる。「においや音を感じた時にシャッターを切る」といい、高知市ではひろめ市場の若者にカメラを向けた。
 大平さんは山形大学院生だった24歳の時、メタノールを誤飲して失明。中退して障害者訓練施設で指圧などの資格を得た後、今春まで1年間、筑波大学の研究生として心身障害学を学んだ。
 幼いころから好きだった趣味のカメラは失明後も離さなかった。「時間がある今のうちに好きなことをしたら」という仲間の勧めで「行き当たりばったりの日本縦断」を思い立ち、6月下旬、空路で沖縄入り。船や鉄道を乗り継ぎ、九州全県と愛媛を巡った。
 10県目となる高知の印象は、「道を尋ねても『ついてこいよ』って自信を持って教えてくれる。接しやすい人が多いです」。
 高知市内では路面電車、桂浜などを撮影。帯屋町2丁目のひろめ市場の活気がとりわけ気に入り、偶然知り合った東京の観光客をカメラに収めた。
 シャッターを切るのは、温度やにおいを感じたり、話し相手の声が大きくなった瞬間など、「自分が感じた1番のピーク時」。指でレンズの方向を確認し、さりげなく相手にカメラを向ける。
 「写真は人をつなげる。自分が感じた瞬間を人と共有できるのが魅力です」
 カメラの録音装置に撮影場所などを吹き込むものの、どんなふうに撮れているか、人に確認したりはしない。「僕の頭の中で写真はできていますから。自分が感じたものが僕の写真」
 来年3月まで全都道府県を回る予定。函館市に帰郷後、障害のある観光客らをサポートする活動を地元の仲間らと始める計画だ。
 愛用のカメラと〝相棒〟と呼ぶ白いつえを手に、ひょうひょうと旅を楽しんでいる。
 写真は大平さんのホームページ( http://www.nizamo.com/)に掲載している。(7.26.2009/高知新聞より)※URLが全角なのは原文のママにしました。


においや音、温度を感じた時にシャッターを切る。
ある意味、写真を撮る基本なのかも知れません。

今の旅以前にも、九州や沖縄への旅を
されてきたようで、かなりの旅好きの方のようです。

ハンディキャップのある方が何かをした
ということだけでいたずらに賞賛するつもりは
無いのですが、写真を取るという行為に
可能性を感じたので
取り上げさせてもらいました。

見方次第で、恵まれているとも
恵まれていないともとれるものを
誰もが持っていると思います。

周りから見たら羨ましいことが
本人には苦痛の源であることもままありますし。

彼の場合は成人してから失明されたこと
失明前にカメラと出会えたこと
などは、心のあり方次第で幸にも不幸にも
なるかと思いますが、ポジティブな彼を尊敬します。

旅の模様はブログでもチェック出来ます。

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