7.24.2009

緩やかなコミュニティの再構築
The Big Lunchの試み


発案者の期待によればなんと200万人規模という大昼食会「The Big Lunch」が、英国時間の19日、全英各地でいっせいに開催された。

地域のコミュニティが失なわれているのは先進国に共通する悩みだが、この「The Big Lunch」は全英で同時に、近隣でのランチパーティを呼びかけるという初めての試みで、ふだんはすれ違うだけの「おとなりさん」と知り合いになろう、というプロジェクトだ。

賛同した個人が主催することで、ローカルイベントを全英規模で同時多発させるというアイディアはユニークかつ大胆だが、首相官邸であるダウニング街10番地では、堅物で知られるダーリング財務大臣もホスト役に名乗り出た。ちなみに、財務大臣公邸は隣の11番地だ。

呼びかけたのはイギリスの巨大な複合型環境施設であり、また環境問題を考える組織でもあるエデンプロジェクト。創立者であるティム・スミットとポール・トゥウィヴィの思いつきから、壮大な計画が動き出した。

それぞれのランチをとり仕切った人々も、そこに集った近隣の住人たちも、近くても遠かった「おとなりさん」との新しい出会いを楽しんだもよう。中には「オレの近所はロックなコミュニティだったぜ!」などとテンションの高い報告の書き込みもネットをにぎわせた。

また関係者によれば「次のビッグランチはいつなんだ?──って、みんながいってたよ」とのこと。

この日、エデンプロジェクトの責任者、ティム・スミットは「人生のすばらしい事柄はシンプルで、素敵な思い出は私たち自身の手から生まれる。だからみんなを通りに出かけさせ、隣近所でグラスを掲げ、食事を分かち合ってもらうことを目指した。それがビッグランチなんだ」と語った。

また、この「The Big Lunch」の責任者、ポール・トゥウィヴィは「何百万もの人が通りに出て、隣人たちとの出会いを楽しんでいるのを見て、英国はまだまだ大丈夫だという確信で晴れやかな気持ちになった。近所付き合いが暮らしの支えや人生の幸せにとって最大で、しかも手つかずの源なのだということに気付いた瞬間だ。この日曜に育まれた友情が、パーティの飾り付けを外した後もずっと続いていくことを願っているよ」と語った。(7.21.2009/ジアスニュースより)


記事にもあるように、コミュニティの喪失は
先進各国で共通の現象のようで、今、その再構築が
様々な形で試行錯誤されています。

コミュニティメンバーが別々の仕事をしているので
かつてのような農業、工業、商店街といったかたちでの
コミュニティ内での生産活動を復活させることは
現実的ではありませんが、
防犯や住環境の向上、地域ぐるみでの
子供の育成といった面では、
コミュニティ活動に期待したい機能も
まだまだあります。

そういう意味では、コミュニティは喪失したのではなく
変質したまま、新しいカタチがまだ出来上がっていない
過渡期にあるのかもしれません。

コミュニティなど煩わしいモノだと
思われるかもしれません。
たしかに、かつてのように全てをコミュニティ全体で
行うカタチでは、なじまないことも多いでしょう。

もっと、緩やかな「つながり」でも良いのでは
と、僕も考えます。

どういったカタチになるのか
いろいろな試みを期待しながら見守りたいですし
僕も何か仕掛けたいと考えています。

4 件のコメント:

  1. 私の工場がある鹿児島県肝属郡南大隅町ですが、コミュニティーが崩壊しています。
    田舎なので、さぞかし暖かい人間関係があるかと思いきや、あまりにも高齢者が多すぎるのと経済がことごとく破綻し行政のサービスもままならないいわゆる「限界集落」と呼ばれている地域だから。
    先日、同地区の民主党議員の方から聞いた話ですが、この選挙区を100軒まわって50代以下の人が暮らしている世帯数がなんと、5軒しかなかったそうで嘆いていらっしゃいました。
    行政はお金が無い!お金が無い!の一点張り。
    民間から立ち上がるしかないかな。

    http://taskessential.blog79.fc2.com/

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  2. コメントありがとうございます!

    100軒中5軒ですか!
    不謹慎かもしれませんが、世帯が無いならまだしも
    「100軒ある」というのも厳しいですね…
    僕の実家も今、そういう状況ですが…

    老老介護ならぬ老老集落というのも
    危うい状況ですよね。

    行政はお金があれば
    何をするつもりなんでしょう。
    何も考えてないのに
    お金のせいにしないでもらいたいものです。

    50代はともかく
    60代以上でも出来るビジネスモデル。
    かつ、みんなの経験やスキルを活かしやすいもの。

    やっぱり、葉っぱビジネスは、よく出来てますね〜
    こっちは海や海産物を利用する方法でしょうか。

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  3. ウチの親父は60才を手前にビジネス初めたし、
    地元で今迄やってきた事のマーケットを
    先ずは日本の他地域に見いだす事が
    過疎地の切り開くべき道なんでしょうね。

    それにしても、「The Big Lunch」はやられたな〜

    「人生のすばらしい事柄はシンプル」
    っていうのは、本当に同感できますね。

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  4. >anchorandwildboar
    そう!
    記事を書いた人がウマいのか
    本人達がカッコいいのか、
    この記事の中のコメントがイイこと言ってる!w

    エネルギーがくすぶっているところ
    エネルギーを見失っているところ
    アプローチは異なるだろうけど
    「マネをする」てのも
    アリなんちゃいますか。

    都会も、過疎地も。

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